『NHKアジアインサイト』 伝統文化の布袋戲の成り行き
- おおとり
- 2018年5月12日
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更新日:2018年6月26日
台湾では泉州から伝播した布袋劇が伝統的な社会と台湾語により独自の発達を遂げて現在に至るまで大きな人気を博している。



1750年代、福建より大量の移民が台湾に入植すると、布袋劇も移民とともに台湾に流入した。特徴として閩南語を使い、動作の細緻性、南北管を主とする音楽にある。
1920年代は武侠劇を中心に布袋劇が民間に広まった期間である。清末民初の『七侠五義』、『小五義』などの武侠小説を題材とし、各種剣を重視した表現を用いた為に剣侠布袋劇と称された。当時の剣侠劇を代表する人物としては「五州園」の黄海岱と「新興閣」の鍾任祥がいる。
1930年代は台湾で皇民化運動が推進され、布袋劇もその中で変化を遂げる。まず中国伝統の鑼鼓の使用が禁止され、変わって西洋音楽が用いられた。また雑用の中でも日本風の衣装をまとった人形が使用され、『水戸黄門』など日本の物語を題材としたものが日本語で上演されることもあった。軽快な口白が重要な布袋劇では日本語は受け入れられなかったが、その当時の演出方法は金光布袋劇へ大きな影響を与えることになる。
金光布袋劇[編集]
戦後の1950年代、台湾中南部の野台劇として金光劇が登場した。武侠劇時期の的武内容を継承し、更に新しい種卓を創造した他、金光劇では豪華な背景や衣装を使用し、また灯光を利用した特殊効果を多用し武打の情景を表現した。
また音楽の方面では、少なからずの劇団が伝統的な後台での音楽に代わってレコードを使用するようになった。この時期の主要な人物としては五州園第2代の黄俊雄と新興閣第5代の鍾任壁が挙げられる。黄俊雄の布袋劇は人形の大型化を実現し、またテレビによる放送を開始するなど精力的に活動した。
テレビ布袋劇[編集]

1960年代初期、映画館で布袋劇が上演されることは一般的であり、野台金光布袋劇は農村地区の重要な娯楽の地位を占めていた。そしてテレビ時代が到来した1962年、当時台湾で唯一テレビ放送を行っていた台湾電視公司が李天禄も亦宛然掌中劇団による『三国志』を放送した。1965年4月には明虚実掌中戯班による北京語音声による『水仙宮主』を放映、テレビ向け布袋劇が初めて登場する事になる。このように李天禄により開始されたテレビ布袋劇は、金光劇の黄俊雄により発展することになる。
1960年代初頭、黄海岱は布袋芸能を子である黄俊卿と黄俊雄へと継承していった。黄俊雄は人形や音楽、舞台効果の改良に力を入れ、新しい内台戯を創造した。1970年3月12日、黄俊雄が率いる真五洲劇団は内台劇で上演していた雲洲大儒侠首を初めてテレビ放映した。斬新な音楽と舞台効果によりたちまち人気番組となり、放映は583回にも及び、台湾で97%という最高視聴率を記録し、テレビ放映が学生や社会人の無断欠席欠勤を及ぼし、1974年6月16日には正常な社会生活を妨害するものとして、政府によりテレビでの布袋劇放映禁止となる社会現象を巻き起こした。
映画産業と専門チャンネル[編集]
1980年代後半、台湾では政府の外国メディア規制の大幅な規制緩和により外国の娯楽文化が流入し、台湾の布袋劇もその影響を受けるようになった。観客の減少により後場の専門集団の上演機会が失われ、経営が赤字に転落したことで最盛期には千を超える劇団により上演されていた野外布袋劇団も300余りに減少し、その中には実質的に上演を行っていない劇団も少なからず含まれるようになった。こうした状況下でも一部は学校や地域に密着した活動を行い、伝統布袋劇の文化の保存に努力し、その中でも李天禄と鍾任壁等の伝統布袋劇芸師による貢献が大きかった。新興閣の鍾任は大学の中に布袋劇技芸を開設している。
台湾の伝統布袋劇の劇団と観衆は大幅に減少したが、テレビ布袋劇は1980年代に大きな進歩を遂げている。1988年、テレビ放送の発展を受け黄文択と黄強華の兄弟は美地塢録影帶公司を通しレンタルビデオ市場へ参加し、霹靂系列布袋劇を中心に作品を発表した。この劇団はレンタルビデオを通じて百万人の観客市場を創出し、全台湾のレンタルビデオの10%を占めるに至った。
1993年、霹靂シリーズはまた布袋劇の放送を通信とする専門チャンネル「霹靂衛星電視台(現在の霹靂台灣台)」に発展した。運営方式としてはレンタル用の布袋劇を一定期間経過後にテレビ放映したものである。このようにしてさまざまなメディアに進出した布袋劇であるが、1997年には映画化され『聖石伝説』が製作され、台湾のみならず日本やアメリカにも輸出された。
伝統的な布袋劇は凋落したが、製作レベルを向上させたビデオやテレビ化を通じて新たな観客を獲得し、2005年現在、台湾のテレビ布袋劇市場は4000万USD以上の市場へと成長し、100万人以上の視聴者を獲得、ケーブルテレビの専門チャンネルは350万戸以上へと成長した。また布袋劇関連商品の販売も増加し、同人誌やコスプレなどの愛好者によるサブカルチャーも形成されている。

















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